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STORY

音楽少女カミナの異世界活動日記

2. 襲撃のチューニング

キマイラを撃退したカミナ。その力にリーパスは目を見張る。聖楽団が発動出来なかったDX-7を、どこの者とも知れない少女が、なぜ……?

その時、カミナは騎士団に包囲される。

「おい、その子は聖楽団を助けてくれたんだ!」

憤るリーパスを無視し、大臣のガスロンはカミナを連行する。

* * *

「どうも、予定が狂ったか……?」

街外れの丘からハーマッツを見降ろし、蒼い鎧を纏った小柄な男が言う。その周囲には黒ずくめの男たち――そしてその兜の下には、牙が光っていた。

「キマイラを倒せるほどの奏者《プレイヤー》があの街にいるとはねぇ。ま、楽しみが増えたと思えばいいか」

幼ささえ残るその端正な顔立ちに、残忍な笑みが浮かんだ。

* * *

「ニホン? トーキョー? でたらめを言うな!」

大臣・ガスロンから尋問を受けるカミナ。そこへ、聖楽団の奏者《プレイヤー》がやって来て、カミナと話をしたいと申し出る。

「あなたはDX-7を操った……それがどういうことか、わかる?」

「……あのキーボードのこと?」

聖楽団のトップ奏者・アスリーンはカミナに、伝子騎機《ナイトガジェット》について語る。そして、カミナの持つ「奏者《プレイヤー》」としての潜在能力についても――

その時、カミナの鞄からなにかが飛び出る。それは、現実世界でカミナに助けられた、あの白い動物――?

「よく寝たピク~。あ、カミナ、ようこそアロルヤォーグへ」

呆気にとられるカミナとアスリーン。しかし、その白い動物――ムピクはそれを無視して、窓の外を見る。

「あんまりゆっくりしてらんないピク。ヤバいのがまた……」

と、その時、ハーマッツの街に地響きが起こった。

* * *

魔獣を引き連れ、街を襲撃する蒼い鎧の男! その手にした伝子騎機《ナイトガジェット》から、光が迸る!

「SH-101よ……砕け!」

騎士団を次々と屠っていく蒼い鎧の男。その前に、リーパスが立ちはだかる!

「EMXよ! 奔れ!」

伝子騎機《ナイトガジェット》・EMXを振るい、男に斬りかかるリーパス。しかし、その実力差に、刃も光弾も届かない。

――ドォン!

そして再び、地響き。そして――見上げるとそこには、巨大な石巨人《ストーンゴーレム》が町に迫っていた!

* * *

「……なに、あれ……!?」

窓から見はるかす石巨人の姿に戦慄するカミナとアスリーン。その時、カミナの耳に聞こえるものがあった。

「呼んでる……?」

――それは、あの伝子騎機《ナイトガジェット》が呼ぶ、声――?

「……では、一丁行きますピク!」

ムピクがその身体から、魔法を発し――入り口を吹き飛ばす!

「こっちピク! ついてくるピク!」

ムピクについて走り出すカミナ、そしてアスリーン! その行く先にあるのは――

「あのキーボードが呼んでる! わたしに弾いて欲しいって……この街を守ってほしいって!」

THEME TRACK

伝子騎幻想アロルヤォーグ・サウンドトラック「Synthesize 101」FQTQ