再びDX-7の力を発動し、石巨人《ストーンゴーレム》を街から退けたカミナ。
その力を目にした聖楽団のリーダー・アスリーンは、カミナとムピクをアロルヤォーグの女王の元へと連れていく。
その一方で、SH-101を操る蒼い鎧の奏者《プレイヤー》・ロルガに手も足も出ず敗北したリーパスは雪辱を誓い唇を噛みしめていた。
* * *
そして、女王に謁見することになるカミナとムピク。
謁見の間に姿を現した女王はどう見ても少女のような姿だが、200歳を超えるのだという。
その女王がムピクの姿をひと目見て、呟いた。
「……そう。時が来たのね」
そして女王はカミナに対し、DX-7を託すこと、それを使いこなして欲しいこと、そして、「東方の大賢者」に会いに行って欲しいという旨を伝える。
「これはお願いです。異世界から来たというあなたに、不躾なのは承知の上……それでも、私たちにはあなたの力が……DX-7を弾きこなせる者の手が、必要なのです」
「……そうまで言われちゃ、ミュージシャンとしては黙ってられないな」
かくして、カミナはDX-7の奏者《プレイヤー》として修業を積みながら、大賢者の元を目指すことになる。
* * *
「……ところで、その大賢者さんって人のところへは、どうやっていくの? 車とかないよね?」
「あってもカミナは運転できないピク」
そう首をかしげるカミナとムピクを、アスリーンは先ほどキマイラが現れた音楽堂へと導く。
「さ、出発するよ……!」
アスリーンがそう声をかけ、ホールに設えられたパイプオルガンの操作盤《コンソール》へと座り、操作を始める――
「音楽堂型飛空挺《ワークステーション》、起動!」
地響きと共に、音楽堂がその姿を変える――!
ドーム状の船体を持った飛空挺としての姿を現した音楽堂が、空に舞い上がる!
カミナとムピク、そして、音楽堂の中に潜りこんでいたリーパスの旅が、幕を開けた。